タイヤカバーの製作最終回。

おはようございます。長々と書いたタイヤカバー製作の取材記事。撮らなければ現場感が伝わら無い。しかし職人の仕事を観ていると、誰か後継者は居ないのかと考えてしまう。勿体無い技術なのだ。確かにクルマが向かう将来は個人所有から離れるかも知れない。しかしリペアを必要とするクルマの生存は、20年30年で完全消滅するとは思えない。シートだって経年劣化でリペアを必要とする機械が増える。魅力的なクルマの生産はEVを意識した時点で終わった。今更逆行は不可能なのだ。なんて考えると職人の技術はまだまだ必要とされているのだ。しかし人間は老いると集中出来る時間が減少する。要は仕事量が限られるのだ。時間が無い。誰か継承しませんか。

使用するファスナーは最大となる。確かに大きいな。

職人は黙々と工程をこなす。職人の頭の中には完成形が有るが、私の頭の中は段取りが全く理解して無いのだ。職人にはゴールが見えて私には見えない。実は取材者としてゴールが見えない取材はキツイのだ。

飾りのパイプ入れますかと聞かれハイと答える私。造形物に変化が現れて意味が有るのだ。パイプの製作工程も理解した。

徐々に私にも理解出来る形になってきた。職人技と言いますが凄いの一言です。無からモノを作り出すのですから頭が下がります。

出来たよと職人が言う。スタートから約4時間で完成した。工房にタイヤが無いのでこの状態。車内に予備タイヤを置くので、タイヤの匂いを嫌う私の考案なのだ。多分カバーで包めば匂いはしないと思う。横にするか縦にするか。理想は縦に置いて固定するのがいい。しかし固定ベルトが必要になるな。横にして置くと大きいのでスペースがね。クリーブランドに戻ってタイヤを入れてみた。

ちゃんと収まります。お見事な作品です。カバーなので役目を間違え無いように。優しく取り扱わないと破れます。手持ちで丸めて飛行機で北海道に持ち帰ります。軽いので重量オーバーは大丈夫。クラシックと絡めて撮影すればこの企画は完成します。どう撮るか色々と思案している私です。モノ好きとしては一点物のビスポークは嬉しいの一言なのです。私の為に仕上げる。ビスポークは極みだな。