87歳の職人と靴談義。

おはようございます。中山製靴の靴紐が欲しくて北綾瀬まで行って来た。交通費を考えるとネットで似たような靴紐を買うのが一般的か。中山製靴はネット販売と無縁のお店。頼めば買えるかもしれ無いが私は王道を歩む。どのタイミングでお店に行くか迷っていた。よし今日だと思い電話をする。営業しているか。靴紐が有るか。売ってもらえるか。電話の対応はお婆ちゃん。耳が遠いのか話が噛み合わ無い。やっと理解して貰った。何時に行けば良いかと聞く。14時にしてくれ。23日は祝日で仕事は休みなのか。近くに住んでいるのかな。

国立駅から北綾瀬駅まで電車で1時間30分。靴紐を買いに行く距離では無い。現地に13時45分到着。

ごめんください。こんにちは。何度も叫んでも返事が無い。外に出て14時になるのを待つとする。14時になり改めて、ごめんください。こんにちは。反応が無い。私はお店に電話する。電話が切り替わり別の番号に繋がる。靴紐を買いに来た木村です。電話の相手はお爺ちゃん。話が噛み合わ無い。仕事部屋に現れたのは中山製靴の顔で有るお爺ちゃん。お爺ちゃんはまず私の靴を観て靴紐の締め方が間違っていると一言。

右足の靴紐を締めてくれた。そこから靴談義がスタート。部屋に上がってお茶を飲めと言う。私はお構い無くと言う。お爺ちゃんはコーヒーを持って来る。コーヒー好きとしては飲むしか無い。お爺ちゃんは煙草を吸い出す。お幾つですか。87歳。歩きはダメだ。仕事は座っているのでまだ大丈夫。煙草は死ぬまで止めない。私は誓う煙草は止めない。靴談義で30分。来て良かった。リアルに生きるぞ。87歳で現役の職人とは素晴らしい。

始発の北綾瀬駅電車内で私は購入品を撮影。靴紐を5セットとクリーム。お爺ちゃんは500円もサービスしてくれた。手持ちのスニーカーやダナーにもこの靴紐を使うのだ。結んだ感じが好きなのだ。靴紐1セット500円は適正価格以下だな。北海道でのウォーキングで履いている中山製靴の登山靴。本来はウォーキングで無くて登山で使って欲しい。私は登山は出来無い。鼓膜が弱くて気圧の変化は極力避ける。北海道に戻ったら登山靴にタップリのクリームを塗り込むぞ。お爺ちゃんは職人気質。お爺ちゃんが始めた中山製靴。今は息子さんが二代目となる。運が良ければまだお爺ちゃんが作る登山靴は買えますよ。

これが代表的な登山靴。運転は無理ですが、歩く目的での使用は完璧です。私は取材先でランドローバーを動かす事も有るので、仕事では履きません。もっぱら北海道でのウォーキング用として愛用しております。お爺ちゃんが現役中に一足作って貰いたい。出来ればビスポークで記念の一足を。本当に病気レベルの靴好きですね私は。足は左右しか無いのにね。