塗装の優劣は金額だけで決めれない。

おはようございます。塗装を終えたボディを数多く観てきた。そのクルマもランドローバーばかり。特にディフェンダーが多かった。自分のクラシックも二度全塗装した。ディフェンダーも一台全塗装。クラシックミニも一台全塗装。何故に全塗装したか。理由は自分が好きな色にしたかった。塗装の仕上がりの判断は依頼した本人が納得すればいい。エンジン&ミッションのOHで有れば動かせば直ぐに結果は解る。しかし塗装の優劣の判断は素人には難しい。ボディの錆を修復する為の塗装もある。仕事が雑だと錆がボディに現れる。結局我々は信頼出来るショップとの出会いが重要なのだ。

今回全塗装したクルマはディフェンダー90。オーナーの依頼でアストンマーチン純正カラーに塗装した。サンカーズの塗装職人が仕上げた作品だ。鈑金と塗装を一緒に考えてはいけない。全く異なるセンスが必要となる。多くは書かないが鈑金職人と塗装職人が同一人物なら、神が選んだ特別な才能を持った人なのだ。それほど鈑金と塗装は相反する技術が求められる。

私の個人的な判断だが見事な仕上がりだ。このクルマは左ハンドルなので90最初の限定車。25年近くの時間が経った。ディフェンダー90をこの色にしたかと驚いた。

全塗装とは外観だけの塗装では無い。理想はドンガラにしての塗装。それだとフルレストアで無ければ不可能。新車を一台仕上げる手間と時間が必要となる。テーブルに現金を積めば専門店はスタートするだろう。安くて上手な塗装は無い。しかし高額だからクオリティが高いとは限らない。何事も適正価格かを見抜く事が重要だ。適正価格の判断は日々の情報収集が肝となる。

これだけの存在感を醸し出す全塗装車とはなかなか出会わない。私は見惚れてしまった。あるがままに新車時の塗装を維持するのも正しい。しかし全塗装をして新たなスタートをするのも一つの考え方なのだ。直しながら乗り続ける。使えるモノは使い続ける。そんな価値観を持っている人は確実に存在する。人はモノに何を求めるか。モノは人に何をもたらすか。各自思案して欲しい。ご自身の判断でモノは捨てられたり生かされたりする。次号では語りますよこのクルマで価値観を。要は使えるモノは使い続けろと言いたいのだ。買い替えはカッコ悪い。使い続けているモノには魂が生まれる。貴方には魂が宿るまで使い続けているモノが有りますか。