銀座ロイドの思想が反映されたカントリーブーツ。

おはようございます。お気に入りのトリッカーズのカントリーブーツ。私はソールをラバーで履くのが好きだった。理由は雨で濡れた路面で滑って転ぶ。ちょっと危険な状況になるのです。それがトラウマとなり革底は避けるようになった。しかし銀座ロイドと親しくなり靴談義が増えた。そして哲学堂靴修理店の存在を知る。より靴の構造を理解した。革靴の王道は革底なのだと。しかし自分の生活スタイルを考えるとラバーソールが最適なのか。靴本体が一番馴染んでいるカントリーブーツを、哲学堂靴修理店の技術で革底にリペアし新たに歩くと決めた。王道とは避けるより挑む事も時には必要なのだ。

このカントリーブーツは購入時から革底を変えて無い。しかし雨の日に地下鉄の階段で滑って転んでからは怖くて履けなくなった。曰く付きの靴なのだ。

ラバーソールへの交換は何度も取材した。しかし革底への交換のプロセスの多さには正直驚いた。そして職人の腕が試される作業だと理解したのだ。

そして部材選びも肝となる。銀座ロイド指定の革と一般的な革では仕入れ値が3倍違う。英国でハイクラスの靴に使われている部材しか銀座ロイドは使わない。

革底に塗る色まで銀座ロイドの拘りが反映される。哲学堂靴修理店は銀座ロイドの思想が反映された靴修理店なのだ。私のトリッカーズは銀座ロイドの思想が反映された靴へと変貌する。

ソールが魂を宿ったソールへと変貌する。職人の手が思いを込めて技術を注ぐのだ。

一つ一つの工程の意味を私は考える。リペアが好きな私。新品を使うのは気恥ずかしい。年齢に即したモノを使いたいと日頃から考える。しかしモノとの出会いはタイミングが重要と考える。また一足リペアで蘇った靴が増えた。

高校生の頃から靴好きが始まった。リーガルのサドルシューズを毎日履いて学校に通った思春期。あれから40年が経っても思考は何も変わらない。靴好きが英国好きへとステージを変え、クラシックミニの専門誌を創刊。そしてランドローバーの専門誌を創刊することに。そして今は英国靴を履いてクラシックを運転する爺となった。人間の価値観は簡単には変えられない。無理に変える必要も無い。好きなモノに囲われて好きなモノを使う。もしかして人生で今が最も充実した日々を過ごしているのかもしれないな。