ブッシュ交換は諦めない気持ちが肝となる。

おはようございます。LRL誌063号で紹介しているが、クラシックのブッシュ交換に取り掛かる。フロントとリアに分けて二回で終わらす予定だ。洞爺湖工場はランドローバー専門店では無い。工場にリフトは有るがクラシックをリフトに載せて目一杯上げると天井を突き破る。そんな関係で天気が良いこの日は野外での作業となる。ジャッキアップしてウマに載せる。しかしこの方法だとブッシュ交換は超難儀となる。長年ランドローバー専門誌を制作しているので数多くの整備現場に立ち会った。ブッシュ交換も何度も取材した。私が交換する訳では無いが効率的な術は理解しているのだ。しかし限られた環境でも完結する仕事を観ながら、改めてメカニックの仕事に対する真摯な姿勢に私は感動した。何事も諦めずに取り組む。些細な事の様だが実はそれが本質なのだろうな。勉強になりました。

天気は良いのだが風が強く吹く。その風が小高い場所に有る畑の土を運んで来る。こんな事は日常的なのかと聞くと記憶に無いとか。基本的に湖はカルデラ地形。その湖畔に工場が有るので周りの地形より標高は低い。幹線道路は高い場所に有る。その幹線道路の周辺は畑なのだ。湖畔に有る工場には黄砂の様に畑の土が降り被る。黄砂ってこんな感じなのかと妙に納得した私なのだ。

モノ好きな職人の工場には工具や専用機機は何でも有る。自転車から船まで修理するのだから、工場で完結出来無いと苦労するのは自分なのだ。長年掛けて揃った道具は圧巻の一言だった。ドラえもんのポケットの如く色々と工具を持ち出す職人。観ている私は興味津々となり質問の繰り返しとなる。見慣れ無い工具の使い方講義のようだった。

苦労して外したブッシュは正しい経年劣化。新品と比較するがこの状態だと解らない。実際にブッシュを交換し運転すると体感が出来る。本来は全てのブッシュを交換後に感想を述べるのが正しいコメント。しかしフロントだけの交換でも明らかに下回りの締まり具合が変わった。リアの交換終了後に改めて感想を述べる。ボルトはボルトとして抜き取る。決して切らない。あるがままの状態で外す。当たり前の様だが実は大変なのだ。そこに職人の美学を感じてしまう。クラシックの整備で日々職人を独占したい気持ちになる。しかしそんな事をしたら地域の方々からお叱りを受ける。自転車のパンク修理から漁船のエンジンOH。芝刈機のエンジン調整が終わり病院の送迎用バスの修理。田舎の認証工場は大変なのだ。以前職人が取得した免許証を観せて貰ったが広範囲での数の多さに驚いた。洞爺湖工場の職人達は只者では有りません。今日は残りのブッシュ交換。どんな職人技を観れるか楽しみだ。でも天気予報は一日雨模様。ちょっと憂鬱な私なのだ。雨が降ったら早朝ウォーキングが出来無い。行くか中止か今迷っている私なのだ。